消防士のメモ

消防職員8年目のこぜタローと申します。消防職員として必要な知識・技術・経験など日々学んだことを復習するために覚えたいことを書き込んでいきます。目標は1年間上司に叱責されないことです。

スタティックロープについて

都市型救助 資機材

消防だとロープはマストアイテムですよね。

今回は都市型救助で主に使うスタティックロープについてざっくりまとめていきます。



スタティックロープ
ロープ太さ 11mm
破断強度  28kN
編みロープのうち、伸び率の小さいものがスタティックロープと呼ばれる。
伸び率の小さい特性をいかし、救助者や要救助者の吊り下げ・引き上げに適している。
ロープの構造
ナイロンを撚って束ねたコアとナイロンを編んだ外被(シース)の二層からなり、コアが全体強度の大部分をしめている。※ロープは全てこの構造であり、カーマントル構造といいます。

※EN規格とはEU(ヨ―ロッパ連合)地域における製品の安全を統一規格として制定される規格の総称
EN基準の審査基準なんて署内で覚えてる人なんかいないかもしれませんが、一応記載しときます。


タイプA  EN規格審査基準


・ロープの芯と外被の素材の融点が195度以上
・10キロの静荷重をかけたときのロープの直径が8.5~16m

・ロープの柔軟性を示し、結び目の内径がロープの1.2倍以下
 結び目の内径とはロープにオーバーハンドノットを結び、10キロの静荷重を1分間かけたあと、さら に1キログラムの静荷重をかけた状態で結び目に専用の物差しを差込み、結び目の内径をはかる


・ロープの芯と外被のずれを計測。片方の末端は芯と外被を熱処理して一体にし、他方の末端はそのまま処理しない状態にしたロープ(長さ2.25m)を用意する。ロープを規定の装置に通し、一定の力で挟みながら引き抜く。これを5回繰り返した後の芯と外被のずれの長さを測る。


・50キログラム荷重時と150キログラム荷重時のロープの長さの差を測る。セミスタティックロープは、伸び率が5パーセント以下であることが求められる。

・ロープの外皮率 ロープに占める外被の質量の割合を示す。
(直径11mmの場合の計算方法)
11×11÷(4×11-4)×100パーセント


・衝撃荷重
ロープにより墜落が止められたときに、人体、コネクター、支点にかかる荷重を示す。100キログラムの重りを使用し、長さ2mのロープを使って墜落距離0.6mの落下(落下係数0.3)をさせたときの衝撃荷重を測る。

・耐墜落回数
ロープが重りの墜落に耐える回数を表す。タイプAのロープには100キログラムの重りを、タイプBのロープを使って2m落下させ(落下係数1)、ロープが切断するまでの回数を測る。

・破断強度
ロープの両端を、結び目を作らずに固定したときと、エイトノットで固定していたときの破断強度を測定する。

EN規格についてまとめると長くなってしました。
この記事はとりあえずこのへんにしときます。