消防士のメモ

消防職員8年目のこぜタローと申します。消防職員として必要な知識・技術・経験など日々学んだことを復習するために覚えたいことを書き込んでいきます。目標は1年間上司に叱責されないことです。

消防 救助 降下時の懸垂点(アンカー)について 2

懸垂点にもちいることができるもの


・立木、岩石・電柱等・道路の付属物(標識柱、車両用防護柵)・消防車両
・施工アンカー・杭(ピケ)

立木 
選定の目安
立木を懸垂点とする場合の目安等は、次の通りです。枯れ木は除外
地面から1mの高さにおける幹の直径は15cm以上(胸高直径)の立木は、樹種を問わず、5kn以上の引っ張り力に十分耐えることができる。その場合、懸垂ロープを結着する高さは2m以下とします。

立木の強度
立木は、垂直方向に押し下げる力には大きな抵抗力を持っているので、5knの水平方向に引っ張られたときに耐えることができるか判断する。

電柱
選定の目安
電柱を懸垂点とする場合は、地上高さ6.5m以上(全長8m以上)の電柱を使います。
地上高さ6.5mの電柱を懸垂点に使う場合は、懸垂ロープの結着高さを2m以下とします。
電柱は、電線等による引っ張り荷重や風速40m毎秒の風圧荷重によって倒壊しないように十分な深さに根入れしてつくられています
電柱本体の構造は、電力会社やNTT等がそれぞれの社内規格で決まられていますが、それらの規格はJIS規格で定めるコンクリートポールの規格と同一かまたは超えるものとなっています。
長い電柱ほどひび割れ試験荷重大きいので、ひび割れしにくくなります。

車両用防護柵(ガードレール)
選定の目安
崖縁、水路等に面する道路際に設置してあるガードレールならば、防護柵の形を問わず懸垂点として使うことができます。
懸垂ロープの結着位置はどこでもよい。
ガードレールは、国土交通省道路局長が定める基準に基づいて設置されています。

路側用車両防護柵を懸垂点とする場合、降下隊員が急制動した場合の衝撃力はせいぜい5kn。ガードレールは、大型トラックの衝突試験をクリアしており衝撃荷重は、隊員の急制動による衝撃荷重は120倍となっています。


救助工作車等の出動車両

救助工作車の車両重量は、6から12トンで、懸垂点と十分な重量です。
車体の側面・前後にアンカー用金具を備えていることが多い。

杭(ピケ)
杭は、深く打ち込めば懸垂点として使うことができます。建築や土木の分野ではさまざまな長さの鉄杭が使われていますが、消防ではあまり使われる機会がないです。

 

懸垂点を作成するような現場は、滅多にないですがいざ必要となると耐荷重についていろいろ考える必要があることが分かってよかったです。