消防士のメモ

消防職員8年目のこぜタローと申します。消防職員として必要な知識・技術・経験など日々学んだことを復習するために覚えたいことを書き込んでいきます。目標は1年間上司に叱責されないことです。

消防 救助 降下時の懸垂点(アンカー)について 1

参考書見ながらまとめてみました。

 

降下時の懸垂点(アンカー)について


要救助者が取り残されている位置が低所の場合、隊員はその位置はまで降下します。そのために、まず丈夫な懸垂点を選定し、そこに懸垂ロープを結着しなければなりません。ここでは懸垂点の設定方法について考えます。

選定のポイント
1、      第一は、現場付近の地物等から十分な強度をを有する地物等を選定することです。このような地物等がないと判断されるときは、手持ちの機材等で懸垂点を作成します。
いずれの場合でも、懸垂ロープに加わる荷重の大きさがわかっていないと、懸垂点をつかえるだけの強度を持っていると自身をもっていうことができません。
2、      第二の要件は、懸垂ロープの決着点の高さです。「できれば」という程度の要件ですが、十分な強度を有する背の高い懸垂点ならば、懸垂ロープを高い位置に結着することができるので、降下開始地点において懸垂降下の準備姿勢がとりやすくなります。

懸垂点の必要強度
1、      懸垂降下の場合、懸垂点に一番大きな力が作用するときは、降下隊員が降下途中に急制動をかけて停止するときです。このとき隊員の重量の数倍の大きさの衝撃力が発生します。このときの衝撃力の大きさを最大5knとかんがえます。そのため懸垂点はその力に耐えるだけの強度持っている必要があります。

懸垂点の選択基準


地物等を懸垂点に選択するときのまとめ
垂直方向、水平方向のいずれも5knを大幅に超える引っ張り力にたえることができる地物等は、懸垂点として最適。懸垂ロープの結着高さを転倒モーメントから決めることができる。
垂直方向、水平方向のいずれも5kn程度の引っ張り力に耐えることができる地物等は、懸垂点とする場合は、1m程度の高さに懸垂ロープを結着します。
垂直方向、水平方向のいずれも5knの引っ張り力に耐えるかどうか、確信できない地物等を懸垂点にせざるおえない場合は、懸垂ロープ地物近くに結着します。補強材を取り付けることで懸垂点の強度をあげることができます。
懸垂点の強度に不安が残る場合は、引っ張り力によって懸垂点が破壊されないようにつぎの措置をとります。
・懸垂点が懸垂ロープによって引っ張られる方向と反対の方向に予備の懸垂点を選定します。懸垂点に懸垂ロープを結着するときに索端を長くとり、この索端側のロープを予備の懸垂点の地際近くに結着してピンと張ることができれば懸垂点の引き倒しを防止することができます。バックタイと呼ばれる手法です。